AGURI UCHIDA

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リトグラフ 石のまわりで 公開制作 vol.2

リトグラフの石は、普通は四角い石ですが、誤って石を落としてしまうことが時折あるそうです。その時に割れてしまったけれど、捨てられずに残っていた石の断片を、版画の元田先生が「こんなのもあるよ」と見せてくださって、偶然に出来た欠けたフォルムの美しさに魅了されてしまいました。今回の公開制作では3点の欠けた石への描画を試みてみました。

普通の四角い石へも描いています。

暖かくてやさしい石に触れていると、どうしてもリトグラフのクレヨンでゴリゴリ描くことに勇気が出なくて、リトの溶き墨を日本画でよくやっているように、たらし込みと線描で表現してみたのです。

刷りでこの微妙なたらし込みの感じが出てくれるといいけど。

 

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美術館の担当スタッフが撮ってくださいました。

夢中になると、ときおり石を抱いて描いたりしてます。

 

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リトグラフを始めて作ったのは、22歳の大学院の頃ですから、今から45年ほど前になります。当時は石を自分で研磨したのですが、石と石を重ねて八の字を描くようにすり合わせて研磨する方法でした。今は研磨をする金具のようなものでやっているようですね。下の作品はその時に作った小さなリトグラフ、多分年賀状にでもしたのかと思いますが、アトリエの引き出しから出てきました。他にも2点少しお大きな作品を作りましたが、だいぶカビが出てしまっています。この時は石の目が少し残っていて、リトクレヨンで描いても石の目が潰れずに筆触などもそのままいい感じで出ています。この時の石の感触がとても好きでした。

その後、武智鉄二の画廊からリトグラフ集を出すことになり、その時はもう石ではなく、ジンク版というアルミのような金属の版になっていました。

 

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