AGURI UCHIDA

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研究紀要・制作ノートのための覚書 vol.6

 

2019年1月5日撮影、アトリエの朝と夜。

 

素描について。

日本画を描くとき、モデルは目の前にいない。多くのドローイングを引っ張り出してきて、反芻しながら作品を構築していく。植物繊維の絡む和紙、有機的な顔料や岩絵の具、水、膠、そうした素材は私の体質にとてもあっているようで、素材と一体となり貪欲に画面を追求していくことができる。それでも、作品を描くことは自由でありながら、時として不自由な感覚に捕らわれることもある。何故なら、手間のかかる日本画素材のあつかいは、作品へむかうための時間を費やすためもどかしさを感じるからである。

その反面、素描やドローイングはシンプルな素材で直接的に描くので体と感覚が自由に解放され、見ることと描くことの本質に帰ることができる。

素描集ーー内田あぐり ドローイングーーから

 

2019年1月、この時期は朝から晩までドローイングに描かれた人体のフォルムを探し続けていた頃である。昨年末に展覧会のためにドローイングを調査してくれた美術館担当者が、1000枚以上の紙片を年代別に綺麗に整理をしてくれたにもかかわらず、また以前のように年代もバラバラになってアトリエに引きずり出されている。「残丘ーあくがれ」のために参考にしたドローイングは、おそらく1980年代のものからついこの前描いたものまで、様々。兎に角、ドローイングを引っ張り出して、探して見ていた時期である。





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